本質観取ってなに?

本質観取とは、エドムント・フッサールという、オーストリアの哲学者、数学者(1859年-1938年)が、哲学者の思考のリレーを受けて生涯をかけて考え抜いた思考の原理です。
今回のアカデミアは、私の推しの哲学者である苫野一徳さんの著書(正確には共著です)の「本質観取の教科書」をまさに教科書にして進めました。

本書では、本質観取についての概念を以下のように定義しています。
本質観取、それは、哲学2500年の歴史における、英知の粋を集めた思考の方法です。文字通り、物事の“本質”をつかみ取るための思考法。
それが本質観取です。
たとえば、幸せとは何か? 自由とは何か? 正義とは、愛とは、友情とは、希望とは、よい社会とは、よい教育とは何か?
こうした問いに、「なるほど、それは確かに本質的だ」と誰もがうなってしまうような考えを見つけ出し、それを言葉に紡いでいくこと。それが本質観取の営みです。
この本質観取を、複数人の対話形式で行うと「本質観取の哲学対話」となります。
実は、BeBlockのオープンカンパニーのMeetYouでも本質観取をやっています。本質観取というと少し硬いイメージを抱くと思って、「Well-being ワークショップ」と言っています。
ここでは、まさに「Well-beingとはなにか?」について議論して、本質を編み上げていくワークを行っています。いろんなWell-beingの考え方に触れることができるので、運営側も学びになったりします。
本質観取のグランドルール
本質観取には共通のグランドルールがあります。以下は、アカデミアで使用したスライドで本書からの引用に編集を加えたものです。

このグランドルールはBeBlockスタンダードの1「人を尊重する」に強く関連します。
以下は、BeBlockのホームページにある解説文です。

このグランドルールで特徴的なのは、「沈黙の尊重」です。いわゆる、「パスあり」です。自分に意見を求められても思考が整理できていない、表現しづらいと思ったら、パスしてOKです。
そして意見の押し付け、論破は厳禁としました。とても優しいグランドルールです。
このグランドルールに次回は、もうひとつ追加したい禁止項目があります。
それは、「AIやネット検索は使ってはいけない」という禁止項目です。これをしてしまうと、「自分の頭で考える」ことを放棄しているのと同様だからです。
「BeBlockらしさ」とはなにか?
ここから本題です。参加者30名だったので7つのグループにランダムで分けて行いました。グループわけは自動振り分けなので、これまた誰と一緒になるか楽しみでもあります。
具体的な体験談を出してキーワードを見つけながら、最終的に「BeBlockらしさとは、○○○である」という一つの文章に仕上げていきます。時間は45分で行いました。
以下は、あるグループでキーワードを出し合って、BeBlockらしさをこのように表現してくれました。
キーワード
・挑戦
→社員一人ひとりの人生を考えてくれている、体験という価値を与えようとしてくれている
・柔軟性
→なんとかしようとする。
組織異動も今できる最大限を尽くすため。
あえてルール化しないからこそ、それぞれの担当可能領域を狭めない、主体性を養う
個人の視野を広げる、マルチタスクができるように、個人の成長に。
→→For Well-being
・社員の輝ける場所を作ってくれる
あたりまえで決めない
→→自分も幸せな状態であること、そして関わる人全てにプラスの影響を与えようとする
Win-Winを大切に
みんなで補い合いながら一つひとつを作っていく。世に出る商品→エンドユーザーも幸せに。
・助け合い
→とにかくなんとかしようとする、できる方法を探す
・良い文化を継承しようとする
・とにかくなんとかしようとする→お客さまのために、という同じ方向を向いてそれぞれの領域で最大限尽くしている。
・感謝の気持ちをお互い忘れないでいるから、居心地が良い
結論
BeBlockらしさとは、自分も幸せな状態であること、そして関わる人全てにプラスの影響を与えることを大切にすること
いい議論ができたと思います。経営理念にリンクしていて素敵な「BeBlockらしさ」です。
他に出たキーワードで「壁がない」というのがありました。これはいい表現だと感じました。
このたび完成した名古屋オフィスの執務室は、バックヤード以外は壁がありません。ぶち抜きのワンフロアです。これは、「壁をなくそう」と意識して設計したものです。
面白いのは、これは単に物理的な「壁がない」という意味だけではないことです。部署間の壁、役職の壁、仕事の領域の壁。そうした組織の壁が低いことも、BeBlockらしさなのだと思います。
他のグループから出た意見も含めて、多く出たキーワードとして以下の5つにまとめました。
「柔軟性」
「挑戦」
「自律」
「互いに信頼」
「壁がない」
そして、「BeBlockらしさ」の「らしさ」を「カルチャー」と置き換えて言葉を紡いでいくと、以下のような本質に辿り着きました。
BeBlockらしさとは、組織に壁がなく柔軟で、互いに信頼しあい、自ら考えて動くことを大切にし、挑戦し続けるカルチャーである。
この一文に経営理念であるWell-beingという言葉は入っていませんが、この「BeBlockらしさ」を追求していくことが、結果としてWell-beingにつながっていくという解釈です。ただ、これが共通言語であり正解というわけではなく、いろんな「BeBlockらしさ」があっていいと思います。
さらに、「BeBlockらしくない」という反対側からみた視点も大事だと思いました。これをキーワードで練り上げていくことで逆側から本質に迫れるかもしれません。「BeBlockらしい」を考えるだけでなく、「これはBeBlockらしくないよね」という反対側から考えることで、輪郭はさらに鮮明になるかもしれません。
ということで、社長担当のBeBlockアカデミアDAY-1は、「BeBlockらしさとは何か?」について本質観取を行いました。
「らしさ」は、社長が決めて社員に伝えるものではなく、日々の仕事や社員一人ひとりの行動の中から生まれ、みんなで紡いでいくものなのかもしれません。今回出てきた「BeBlockらしさ」を大切にしながら、これからもみんなでBeBlockのカルチャーをつくっていきましょう。