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AI仕事改革って具体的にどんなことなのか

AI仕事改革って具体的にどんなことなのか

松村です。
BeBlockの25期(2026年8月〜)の経営計画の曼荼羅チャートの最上位に、「AI仕事改革」を掲げました。
AIを導入するかしないかを議論するフェーズは、すでに終わりました。これから問われるのは、AIをフル活用して、いかに付加価値を高めるかだと思っています。
実際、BeBlockでは至るところでAIを使って仕事をしています。文章作成、要約、データ分析、比較、素案づくりなど、もうAIは仕事の中に溶け込んできた感じすらします。
しかし、正直なところ、AI活用が「付加価値の増大」にまでつながっているかというと、まだそこまでの実感はありません。
今回は、旭鉄工というバリバリの製造業の社長が書いた「AIファースト経営」という本を読んで感じたことをアウトプットしてみます。
それでは今回も行ってみましょう。

Index目次

旭鉄工DXの圧倒的成果の実像

旭鉄工は、年商170億円規模の自動車部品メーカーで、トヨタ自動車を中心に、トランスミッションやサスペンション、ボディ部品などを製造している地元・愛知県の製造業の会社です。

鍛造、機械加工、アルミダイキャスト、組付けといった昔から変わらない設備で製造していますが、コーポレートサイトのトップページを見てもわかるように、そこそこ年季の入った機械が今も現役で動いています。

旭鉄工のコーポレートサイト。そこそこ年季の入った機械が多い印象。

旭鉄工が2014年から着手したDX(デジタルトランスフォーメーション)は、業界の常識を塗り替える圧倒的な成果を上げています。この10年間の成果が、驚くべき数字です。

労働生産性 141%

一人あたりの労務費 120%(ボーナス増)

損益分岐点売上高を29億低減

特に驚いたのが、損益分岐点売上高を29億円低減したことです。2016年と比較すると、利益額を約10億円押し上げる効果があったというのです。

DXを徹底的に進め、さらにここ数年はAIもフル活用しながら、改革を加速させています。そしてこの構造を紐解いていくと、社長である杉本氏が先頭に立って旗を振り続け、徹底的にやり抜いたところが成功の大きな要因だと思います。

哲学を「ものさし」に変える

本書で何度も出てくるキーワードに「ものさし」があります。この文脈でいう哲学とは、会社の理念や思想を意味します。それらをAIに学習させて判断の支援をさせています。あくまで、AIは会社の哲学に沿っているかどうかのチェックを行っています。

不具合対策についての例があったので、本書のP43より引用します。

不具合対策においてよく見られる「再教育」。世間一般のAIであれば「作業者の注意力を高める教育を徹底する」といった回答を出すかもしれない。しかし、旭鉄工の考え方は異なる。「再教育は対策ではない。人を責めるのではなく、ミスが起きないように仕組みそのものを変える」というのが我々の哲学だ。こうした独自の価値観をAIに学習させることで、AIは単なる一般論ではなく、旭鉄工の考え方に沿った回答を出すようになる。

BeBlockでは、不具合やクレーム、失敗が起こったときに、「人を責めるな、事実に向き合え」と言っているので全く思想は同じです。しかし、私たちはどうしても、担当者を再教育したり、二重チェックを増やしたりして防ごうとします。旭鉄工は、そうではなく「ミスが起こらないように仕組みそのものを変える」という哲学を、AIを活用して徹底しているのです。

経営者仲間で、医療向けの食品を製造している工場に見学してきた際、見学の前にトイレを借りました。トイレを出る際は、手を洗い、ジェットタオルで手を乾かし、最後に手をアルコール消毒しないとトイレの扉が開かない仕組みになっていました。

手に付着した菌を工場に入れないための構造がここにあります。この事例にAIは関与していませんが、「人に注意させる」のではなく、「仕組みで防ぐ」という考え方は同じです。旭鉄工では、こうした形のない「哲学」を「ものさし」に変え、AIがそのものさしに沿って判断を支援しているのです。

意思決定のサイクル、「認知→分析→判断→実行」においてAIの役割はどこか

意思決定のサイクルの図解とAIと人の役割

旭鉄工では、経営や製造現場の意思決定を「認知→分析→判断→実行」という意思決定プロセスの高速化と効率化を追求しています。このサイクルの「認知→分析」まではAIが担当し、「判断→実行」は人間が行います。これは私も常々言っていることで、AIに任せられる仕事はAIに任せ、人は、人にしかできない「判断」と「実行」にフォーカスするということです。

考えてみれば、どんな仕事でも意思決定はこのプロセスに当てはめることができます。例えば、BeBlockのライセンスビジネスにおけるMD(商品企画)においては、SNSでどんなIPやキャラクター、商品が話題になっているのかをリサーチし、なぜ話題になっているのかまで分析する。これが「認知→分析」です。AIに前提条件を与え、その条件をクリアしたものをリスト化し分析まで行います。その分析結果をもとに、商品企画を通すべきか判断し、OKであれば実行に移すのは人なのです。

広告戦略においてはさらにイメージしやすいです。Googleアナリティクスであらかじめ設定してあるKPI((Key Performance Indicator)を測定・分析する。ここまではAIが行い、人が判断して広告文の修正や予算の再設定をするなど、判断と実行をするのです。

こうして文章にしてみると簡単なように思えますが、実務レベルでこのサイクルをぐるぐると高速で回すのは決して簡単ではありません。ただ旭鉄工がこれを実務に落とし込んでいるのは、会社全体、もしくは部署ごとに「ものさし」が明確にあるからに他なりません。

AIを使いこなす前に、「ものさし」をつくる。これがAI仕事改革の重要なポイントなのだと思いました。

BeBlockのAI仕事改革

改めて今期のBeBlockの経営計画の最上位のテーマは、「AI仕事改革」です。

AI仕事改革とは、単にAIツールをたくさん使うことではありません。BeBlockがこれまで積み上げてきたナレッジや、社員一人ひとりが持つ「勘」や「経験」を言語化・構造化し、AIが使える「ものさし」に変えていくこと。そのうえで、AIに任せられる仕事はAIに任せ、人は判断と実行に集中する。

これができれば、AI活用は単なる業務効率化から「付加価値の増大」へと進化するはずです。今期の「AI仕事改革」は、ここまでやり切りたいと思っています。

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