おばけ級の会社「キーエンス」

キーエンスという会社がどれだけおばけ級なのか、本文から引用します。
キーエンスは、ファクトリー・オートメーション用センサーや計測器など、さまざまな機器を開発・製造販売している、時価総額12兆円を誇る会社です。
なんと、従業員の平均年収は2000万円超え、一人当たり営業利益額が1億円超えという驚異的な会社として大きな注目を集めています。
このとおり、とんでもないおばけ級の会社なのです。一人当たりの営業利益が1億円超えなんて、間違いではないかと思うくらい桁違いなんです。
ただ、BeBlockもこんな会社になりたいかといえば、そうではありません。営業のアポが確か4件未満だと営業活動に出ることすら許されなかったり、営業社員にはGPSがついて、営業活動が監視されています。(本書とは別のキーエンス本で書いてあった記憶です)
BeBlockは自律性を大切にしているので、むしろ真逆の価値観です。しかしながら、こうした利益を出し続ける秘訣は何なのか?そこには強い興味がありました。
この本を読んで理解できました。
キーワードは、「構造化」と「組織力」です。
構造とは何か
著者は、キーエンスの企業の本質を読み解くうえで、押さえておくべきコンセプトは、「構造が成果を創る」だといいます。そしてさらに、私たちは、構造によって動かされているのだと。
この構造について解説します。
例えば、このペットボトルの水を飲んでください。と言われたらどんな行動をとりますか?

間違いなくキャップを右に回して、そのキャップを取って水を飲みます。キャップを右に回して外し、水を飲みます。この一連の流れが「構造」です。言い換えれば「仕組み」でもあります。
再び本書から引用です。
つまり、営業の構造、商品企画・開発の構造、マーケティング・販売促進の構造、人事の構造など、キーエンス組織内における構造のすべてが、「お客様に付加価値を提供するための構造」になっており、社員の個人的な能力や努力だけではなく、構造によって社員全員が成果を上げられるようになっているのです。
要するに、どの部署であっても、仕事が構造化(仕組み化)されており、誰がやっても成果を出せるようになっているということです。
マニュアル化とは少しニュアンスが違います。ムダやミスが起きないような導線が設計されていて、ペットボトルのキャップとって水を飲むかのごとく仕事が構造化されているのです。
一部の部署なら話が分かりますが、これがすべての部署で構造化されているのが驚きでした。
組織力
構造化の話は、「同じこと」をやっている会社もあると思いますが、キーエンスと他社の決定的な違いは、「組織力」だと思いました。
なぜなら、「同時に、すべての人がすべてのことをやっている」のです。言い換えれば、9000人の全社員がこの会社方針を理解し、構造化された仕事を全員でこなしているのです。ポイントは、「全社員」ということです。
組織が一体となって、付加価値をつくる構造が完璧に構築されているということになります。ただただ恐るべしです。
BeBlockの工場でも、キーエンス商品を買っていることもあって、キーエンスの営業社員と商談したことがありますが、今考えてみると「構造化」と「組織力」は納得できます。
生産性を上げる4つの方策
付加価値を上げるためには、生産性の向上は必要条件です。かなり前のニュースレターでも同じことを書いたのですが、改めて本書で補助線を引きながら生産性の向上について考えてみます。
137ページの図解を編集したのが以下になります。

生産性を上げるためには、
① 総労働時間は現状のままで付加価値金額を上げるか
② 付加価値金額は現状のままで総労働時間を減らすか
③ ①②を同時に行うか
④ 労働時間対付加価値の高い仕事を増やすか(生産性の高い仕事の割合を増やす)
という4つの方法が考えられます。
そして付加価値金額を上げるには、売上を増やすか、外部購入価値(原材料費・運送費・外注加工費など)を減らすか、または同時に行うかになります。
BeBlockは、③のプランの①と②を同時に行いたいと思います。そして、付加価値額を上げるためには、売上を上げるのと外部購入価値を下げるのも両方行います。
こうして分解して考えて、上げていくもの、下げていくものをいかに構造化していくか。そして、構造化したものを「全員」で取り組んでいけるか。ここが本書の核心部分です。
円安や物価高、人件費の上昇は、今後もしばらく続くでしょう。だからこそ、価格競争ではなく付加価値で選ばれる会社になることが重要です。そのために何を構造化し、組織としてどう実践するのか。本書をヒントに、社員とともに考え、実践につなげていきたいと思います。
