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フジテレビ問題を考察した「集団浅慮」 後編

フジテレビ問題を考察した「集団浅慮」 後編

Index目次

ビジネスと人権とはなにか?

前編では、「集団浅慮」の概念や処方箋についてまとめました。後編では、本書のもうひとつの

大きなテーマである「ビジネスと人権」について考えてみます。

ビジネスと人権とはなにか?

「ビジネスと人権」とは、企業活動が関わるすべての人(従業員、取引先、消費者、地域住民など)の人権を尊重し、侵害を防ぐ責任を指す概念をいいます。

もう15年も前になりますが、2011年に国連の人権理事会において全会一致で支持された「ビジネスと人権に関する指導原則」が全世界的な指針とされていて、以下の3本柱から構成されています。

①人権を保護する国家の義務

②人権を尊重する企業の責任

③救済へのアクセス

外務省のWebにあった図がわかりやすいので、そちらを掲載しておきます。

出典:外務省のパンフレットより

企業活動を通じた人権侵害には様々ありますが、事例を本書から引用します。

たとえば、コバルト。リチウムイオン電池の材料として使われるレアメタル(希少金属)の一種だ。ただし、世界のコバルトの7割以上はアフリカのコンゴ民主共和国で採掘されており、そこでは多くの鉱山労働者が劣悪な環境の下、非人道的な労働に従事している。そしてコンゴの鉱山では児童労働も多数指摘され、「ビジネスと人権」の観点から厳しい目が注がれている。実際にアップルやテスラでは、人権侵害のない事業者からの調達を約束したり、コバルトフリーのバッテリー開発に取り組んでいるほどだ。

 このように「企業活動を通じた人権侵害」は自社工場のみならず、サプライチェーンやバリューチェーン全体がその対象となっており、その効果は計り知れないものがある。

これは途上国の児童労働における人権侵害なので、身近ではなくピンとくる話ではないかもしれないが、ポイントは、自社内のみ考えていればいいわけではなく、「企業活動が関わるすべての人」が対象だという点です。

フジテレビの社員がクライアントから性暴力を受けた。その事実に対し、企業側は被害者である社員よりも、自分たちの地位やプライドを優先してしまった結果として、救済への取り組みが決定的に不足していた。これが、ビジネスと人権の視点からいえば、一発レッドカードだったのです。

前述の3本柱に、①人権保護と②人権尊重というよく似た言葉が並んでいます。この2つの言葉の違いを本書より引用します。

まず、人権保護とは文字どおりに「他者の人権を守ること」だ。

 たとえば労働基準法や男女雇用機会均等法。あるいは労働組合法に育児・介護休業法。「ビジネスと人権」の側面から見たこれらの法律は、「労働者の人権(権利)を守ること」を目的とした法とすることができる。国家は、人権侵害が起こらないよう、さまざまな法を整備しなければならない。そして人権侵害が起きた場合には、被害者を救済し、再発の防止に努めなければならない。人権侵害を「させないこと」。そして起きてしまった人権侵害から被害者を「助けること」。それが人権保護だ。

 これに対して人権尊重は、「他者の人権を侵害しないこと」を意味する。

 つまり、「人権を尊重しましょう」という呼びかけは、「他者の人権を侵害してはいけませんよ」と釘を刺していることになる。他者に「させないこと」をめざす人権保護と、自らが「しないこと」をめざす人権尊重――そう考えるとわかりやすい。

たったひとつの原則

「ビジネスと人権に関する指導原則」では国家に「人権保護」を企業に「人権尊重」を求めてきました。平たく言えば、人権侵害を国家には、「させるなよ」と命じ、企業には、「するなよ」と命じているわけです。

では具体的に、どうすれば人権侵害をしないでいられるでしょうか?

本書の核心は、とてもシンプルです。

それは、「人権を尊重する」ということです。

すべての個人が持つ固有の権利を敬い、重んじる。これが人権の本質を理解する「たったひとつの原則」で、人は誰しも「尊重される権利」を有しているということです。

どこでどう働き、どう生きるのか?

人種も、国籍も、性別も、容姿も、障害の有無も、性的指向も関係なく、人は生まれながらにして、「尊重される権利」を持っています。

この「尊重」がなされなかったときに、ひとりの人間として敬われず、意思や存在を軽んじられたときに、「人権が侵害された」と言うのではないだろうか?

全く同感です。

人は時として、「善意」という鎧をまといながら、相手に価値観を押し付けてしまうことがあります。

数年前、BeBlockに内定承諾した学生から、内定辞退されたことがあります。事情を聴くと、内定をもらった大手企業に就職しないならば、親子の関係を切ると言われて、親に従いたいと言うのです。

親としては、子供のことを思って、大手企業に就職して欲しい気持ちも理解できます。おそらく、なにもかも優先して子育てしてきたのだと思います。

しかし、これが善意という鎧を被った押し付けだと思うのです。ここに子供への「尊重」があるでしょうか。どこで働き、どう生きるか?誰しも自由に決める権利があるはずです。言い換えれば、親に子供の就職先を決める権利など1ミリもないのです。

人権宣言

BeBlockでは24期(2025年8月)より人権宣言を掲げました。経営計画手帳のP41にあります。まだまだ社内での学習と共有は十分とは言えませんが、年々、この人権宣言を深掘りしていきたいと思っています。

ちなみに、人権という言葉を広辞苑で調べてみると、「人が生まれながらに持つ、誰しも侵されることのない権利」とあります。

さらに掘り下げると、自由権、社会権、参政権、生存権、平等権も生まれながらに持っています。
しかし、戦争や紛争がいまだに起き続けている世界を見ると、軽視されていると言わざるおえません。

人間尊重と人権尊重

人権尊重と似た言葉に、「人間尊重」という言葉もあります。どちらも「人への尊重」なので似た言葉なのですが、本質的には少し違いがあるように思います。それは、レイヤーの違いだと思います。以下のように図解にしてみました。

人間尊重が土台となる部分で心とか考え方、会社で言えば理念やカルチャーです。その上に乗っかる形で人権尊重が存在します。これは、ルールだったり制度、仕組みになる部分です。

この2つのレイヤーが意味するところは、人権尊重は、人間尊重がなければ土台のない、絵に描いた餅になる可能性があるということです。理念があってルールがある。会社で言えば、経営理念があって、会社ルールである就業規則がある。この関係に似てるかもしれません。

BeBlockで言えば、Mission、Vision、Value、Workstyleの4点セットの経営理念の上に、社内ルールが乗っかっているのと考え方は同じです。

BeBlockスタンダード ①

BeBlockでは、6つからなるBeBlockスタンダードがあります。一番はじめに掲げているのが、「人を尊重する」です。

人を尊重するとは「違いを認め、耳を傾け、敬意をもって接すること」と定義し、「相互尊重」の関係によって意味をなすと考えます。

BeBlockスタンダードの詳細はこちら

人を尊重し合える組織は、強いと思います。そんな、チーム、会社を創り続けていきたいと思います。

以上、集団浅慮を読んで思ったことをまとめてみました。

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