みなさん、こんにちは。製造グループのマネージャーを務めております、小倉です。
今年から始まった我が社のオウンドメディア。この度私も記事を発信していくことになりました。
記念すべき私の1回目は、私の「人となり」や「大切にしている価値観」が伝わるような個人的なお話をさせていただこうと思います。
これから私が体験したり考えの元になっていること等を発信していければと思っておりますのでよろしくお願いします。
目次
■ 幼心に腹が立った、父の「冷たい一言」
突然ですが、みなさんは子どもの頃の夏の思い出といえば、何を思い浮かべますか?
2026年7月現在、私は41歳です。私が小学校低学年だった1990年代前半といえば、日本が「第一次アウトドア・キャンプブーム」に沸いていた時代です。
我が家は両親と兄、そして私の4人家族だったのですが、毎年夏になると家族全員でキャンプに出かけるのが恒例行事でした。
幼い頃の記憶なので、細かいエピソードをすべて覚えているわけではありません。断片的に思い出すのは、ただただ「キャンプが楽しかったな」という高揚感や、どこか静かな湖畔へ行って水辺で遊んだ景色などです。
しかし、そんなおぼろげな記憶の中で、今でも鮮明に、それこそ言葉のニュアンスまでハッキリと覚えている「父とのやり取り」があります。
それは、我が家のキャンプの定番だった、自前のテントとタープを大自然の中で一から自分たちで設営する時間のこと。
小学生低学年の私は、家族の一員として何か役に立ちたい、手伝いたいという気持ちでいっぱいでした。
しかし当然、何をどうすればテントが組み上がるのかさっぱり分かりません。
そこで、私は作業をしている父の元へ行き、「お父さん、これどうすればいいの?どうやってやるの?」と尋ねました。 手伝おうとしている息子からの質問です。しかし、父の返事は決まってこうでした。
「自分で考えなさい」
……正直、当時の私は幼心にめちゃくちゃ腹が立ちました。「分からないから聞いてるんじゃないか!」「こっちは手伝おうと思って声をかけているのに、なんで教えてくれないんだ!」と、理不尽さすら感じて不機嫌になったのをよく覚えています。

■ 「わからない」ではなく「わかろうとしていなかった」
しかし、何度も「自分で考えなさい」と言われ続けるうちに、子どもながらに「どうせ聞いても教えてもらえないなら、自分でなんとかするしかない」と、少しずつ自分の頭で「どうすればいいか」を考えるようになっていきました。
すると、不思議なことが起こり始めたのです。 それまでは全く分からなかったテントの構造や、ロープの仕組みが、自分で頭を動かして観察してみると、「あ、もしかしてこうか?」と少しずつ理解できるようになっていきました。
毎年この設営を繰り返す中で、私はある重要な事実に気がつきます。 それまでの私は、「分からないから聞いているのに」と父に怒りをぶつけていましたが、本当は「そもそも分かろうともしていなかったし、ちゃんと見てもいないし、考えようともしていなかった」のだと。
ただ答えを先回りして教えてもらうことに慣れ、思考を放棄していたのです。
大自然のキャンプ場、そして父の不親切(笑)な指導から学んだ「自分で見て、仮説を立てて、手を動かしてみる」というプロセス。大人になった今では、安易に答えを与えず、私に「思考するチャンス」をくれ続けた父に、心から感謝しています。

■ 前任マネージャーから受け継いだ「常に考える」
この経験は、現在、製造グループのマネージャーとして現場を預かる私の組織作りの根底に、深く根を張っています。
実は、私がこの役職を引き継ぐ前、前任の製造グループマネージャーだった先輩がいつも口にしていた言葉があります。それが「常に考える」という教えでした。
その先輩が築いてくれた「常に考える」という姿勢は、今も製造グループの強固な土台になっています。
製造の現場では、日々さまざまな課題やトラブルが発生します。そんな時、メンバーから「これどうすればいいですか?」と聞かれた際、私はあの頃の父の姿、そして先輩の言葉を思い出します。
すぐに答え(指示)を出してしまうのは簡単ですし、その方がその場の仕事は早く進むかもしれません。
しかし、それではメンバーが「自分で考えるチャンス」を奪うことになってしまいます。
だからこそ私は、「あなたはどう思う?」「どこまで調べて、どう工夫してみた?」など、まずはメンバー自身の思考を促す問いかけを大切にしています。

■ AIが答えをくれる時代だからこそ、大事なこと
この「思考を放棄しない」ということは、私たちが生きる現代において、ますます重要なテーマになっていると感じます。
今や、生成AIをはじめとするテクノロジーが急速に進化し、仕事でもプライベートでも、調べたいことや困ったことがあれば、AIが瞬時に「それらしい答え」をくれる時代になりました。
非常に便利で、業務の効率化には欠かせないツールです。
しかし、ここで使い方を一歩間違えると、かつて幼い私が父に答えを求めていた時のように、「AIが教えてくれるから、自分では考えなくていいや」と、無意識のうちに思考を放棄してしまう危険性を秘めていると感じるのです。
AIが出した答えをそのまま鵜呑みにするだけでは、そこに独自の工夫や、現場ならではの新しいアイデアは生まれません。便利なツールだからこそ、それに依存して自分の頭を動かさなくなってしまっては本末転倒です。
「AIの出した答えをベースに、さらに良くするにはどうするか?」「この現場に最適化するにはどうするか?」と、最後は人間が『常に考える』こと。その使い方次第で、成果の質は大きく変わるはずです。
セールス部門やEC部門がお客様と結んできた大切な約束を、最高の品質で形にするのが私たち製造グループの使命です。AIの答えに頼るだけでなく、一人ひとりが「もっと良くするにはどうすればいいか」考えたり、「誰かに聞く前にまずは自分で考える」を自発的に行動できる強い組織であり続けたいと思います。
これからも、先輩から受け継いだ風土を守りながら、メンバー全員が「自分で考え、気付き、成長できる」ような現場づくりを目指して、日々モノづくりと向き合っていきます。