「マネジメント」とは、「なんとかすること」

「management」の語源をたどると、「手」を意味するラテン語の manus に行き着くそうです。もともとは「手で扱う」といった意味を持ち、そこから「扱う」「対処する」「管理する」といった意味へ広がっていきました。
私はここから、マネジメントの本質は「なんとかすること」ではないかと考えています。
決まったゴールに向かって、手を動かしながらチームを導く。そのプロセスに起こる問題にも対処して、「なんとかする」こととイメージするとわかりやすいでしょうか。
こう考えると、マネージャーとは「なんとかする人」と解釈することもできます。
BeBlockのマネージャー像としては、「なんとかする人」の方がしっくりきます。
数値で管理して、足りていないところを指摘して、目標に向かって旗をふる。目標に届いていないと、「もっとやれやー!」と鼓舞をする。こんなマネージャーは、一昔前で、昭和の匂いが漂いますね。
ここで整理しておくと、「管理」とは、状況や数値を把握し、進捗を確認することと捉えてみます。DX視点で言えば、あらゆる数値を可視化してダッシュボード化しておくことです。そして、「マネジメント」とは、この数値から炙り出される課題に自ら手を動かして対処し、目標に向かってチームを導き、「なんとかする」ことになります。
「管理」はAIに任せ、「マネジメント」に時間を使う

少し前に、B2Bの売上や達人シリーズの様々な数値が一元管理できるBIツールが完成しました。BIツールとは、企業が持つデータを収集・可視化し、迅速な意思決定をサポートするソフトウェアのことで、BeBlockではダッシュボード化とも言っています。
AIが得意な社員が、Claude Codeで開発し、システム会社に依頼することなく自社開発しました。しかも設計から構築までに1ヶ月程度で完成したのです。すごい時代になりました。このBIツールをシステム会社に発注するとおそらく数百万円で開発期間も急いでも半年はかかると思います。
AIがここまで進化する前は、BIツールをSaaSで利用しようと思ったこともありますが、月額の高額なランニングコストから断念した過去があります。
AIはこうして使うと企業にとってかなりのインパクトがあります。ここまで書いてお分かりだと思いますが、「管理する」ことは、AIでできるようになりました。これからは、あらゆる数値を拾ってきて集計して資料にまとめる必要はありません。こうした仕事こそAIに委ねるべきだと考えます。
大切なのは、次のステップで、このBIツールをどう使い倒すかです。使われないBIツールに意味はないのです。マネージャーがこれらの可視化された数値から、手を動かして、目標に導くのがマネージャーの大事な役割です。AIが「管理」を効率化してくれるからこそ、人は「マネジメント」に時間を使えるのです。
イレギュラーにどう対応するか

野球経験者ならわかると思いますが、飛んできたボールが思わぬ方向にイレギュラーバウンドすることがあります。多少のイレギュラーならアウトにできることもあれば、自分の背を越えるような大きなバウンドになりヒットになることもあります。仕事で言えば、リカバリー可能なミス・クレームと自分ではどうにもならない大ピンチになる事態が起こったときと似ています。
野球の守備で言えば、イレギュラーバウンドに確実に対処できる方法があります。それはボールが落ちてくる軌道で取るか、野球用語でショートバウンドといいますが、ボールが弾んだ瞬間にキャッチするのです。仕事で言えば、基本を忠実に守り、ミス・クレームが発生しないように先に手を打っておくのです。
仕事は、時として想定を超えるピンチがやってきます。小さなピンチもあれば大ピンチもあります。自分で対応不可能な場合は、マネージャーの出番です。
納期に遅れそうでも、なんとかする
リソースが足りなくても、なんとかする
大ピンチでも、なんとかする
マネージャーひとりで抱えてなんとかしろとか、徹夜でもなんとかしろ、と言っているのではありません。納期が遅れそうなら調整し、リソースが足りないときも調整する。大ピンチでどうにもならない場合は、助けを求める。これらすべてが、「なんとかする」の一部です。
「なんとかする力」はすべてのビジネスパーソンに必須スキル

これまで、マネジメントとは「なんとかする」ことであり、マネージャーは、「なんとかする人」だと言ってきましたが、「なんとかする力」は、決してマネージャーだけが必要ではなく、すべてのビジネスパーソンに必要なスキルだと思います。マネージャーには、より高い「なんとかする力」が求められるし、経営陣である役員は、さらに高いレベルが求められます。
入社1年ですぐに「なんとかする力」がつくことはありえません。たくさんの仕事や課題に向き合い、経験を積む以外に特効薬はありません。可能であれば、小さなピンチをたくさん経験すると大ピンチがやってきても対応できます。
目先の課題から逃げずに、「課題に向き合う」こと。これは、BeBlockスタンダードの5つ目に掲げていることです。これからAIが進化すれば、「管理する力」の価値は相対的に下がっていくと思います。一方で、想定外の出来事に向き合い、人を巻き込み、知恵を出し、最後は「なんとかする力」の価値はますます高まっていくはずです。
「なんとかする力」は、経験の中でしか身につきません。目の前の課題から逃げず、たくさんバッターボックスに立ち、少しずつこの力を身につけていきましょう。