信用は過去の実績や貢献によって積みあがるもの

まず、「信用」について。信用は、過去の実績や貢献によって積み上がるものです。確かにその通りです。考えてみれば、金融機関である信用金庫は、過去の実績を「信用」して融資するのであって、なにも実績のない会社(人)に簡単にお金を貸すことはありません。
2002年の夏、創業する際に銀行口座を作るために銀行へ行ったのですが、これが簡単ではありませんでした。まだ何もやっていない会社は、融資どころか銀行口座すら作れなかったのを覚えています。
これは単に自分と創業したての会社の「信用」がなかったからです。一見客お断りの会員制の飲食店なども同じ構図です。「信用」していいかどうかわからないうちは、ビジネスしないという意思表示でもあります。
「信用」は預金残高に似ています。いい仕事をして利益を積み上げていくと残高は増えていきますが、ミスして再製造などしていると、残高は減っていきます。よって会社も個人も「信用残高」は多い方がいいわけです。逆に「信用を失う」ダメージは計り知れないものがあって、再び信用を積み上げていくのに、多くの時間を要します。
信頼は、過去の実績を信じて頼りにすること

信頼とは、相手の未来の行動を信じて、自分のことを預けたり頼りにしたりする気持ちや関係のことです。こうしてみると、「信用」には実績や貢献といったそれなりの根拠が存在しますが、「信頼」は、ふわっとしていて確信のようなものがないように感じます。「よくわからないけど、あの人だからきっと大丈夫」と未来の出来事を信じるわけです。
では、信頼する側と信頼される側の両側から考えてみます。
信頼する側としては、マネージャーがメンバーを信頼して新たなプロジェクトを任せるシーンを思い浮かべてみましょう。メンバーのこれまでの実績や貢献の信用から、新たな挑戦を信頼して任せるという構図になります。この構図が成り立つのは、「安心」なのだと思います。おそらくこうなるだろうという予想がついていて、その結果に驚きがない状態とも言えます。
ここでマネージャーとしての心得として、信じて任せたのならば、「待つ」ことが大事だと思っています。予想に反してプロジェクトがネガティブな方へ向かっていると、待つことができずに自分が介入して、あれやこれやと指示を出しまくるのです。これは一見、正しくもあるのですが、深刻な状況以外は、信じているのだから待つべきです。「待つ」ということは、BeBlockが大事にしている自律性を重んじることでもあります。また、どんな結果になろうとも、メンバーを肯定するという姿勢も大事です。信頼は、安心からの飛躍だとすれば、メンバーがボロボロになって帰ってくることもあります。それを含めて受け止めて肯定するのです。
次に信頼される側です。過去の実績や貢献を信じて、マネージャーが任せてくれた新たなプロジェクトです。自分にとって難易度の高いプロジェクトだったら、できるかどうか不安になるかもしれませんが、多くは、「やってみよう」とチャレンジすると思います。この構図には、「期待」が存在します。信頼されて任されたというのは、それだけ自分に期待されているということになります。
この期待を超える実績や貢献をすれば、信用残高が増えます。毎回、期待を超えるパフォーマンスが出せることはなくて、思うような結果が出なくても、「最後までやり切る」ことが大事だと考えます。その経験が決してマイナスではありません。自己否定ではなく、自己肯定して次に進むのです。
信用も信頼も雑に扱ってはならない

信用や信頼は、お互いに預けたり預かったりするものです。例えば、私が友人に頼まれてビジネスで付き合いのあるAさんを紹介する場合で考えてみます。
私の信用を友人に預けて、友人を信頼してAさんを紹介します。友人から見れば、自分自身を信頼してもらって私にAさんを紹介してもらいます。Aさんから見れば、私を信用して、私の友人への紹介を受けます。言葉で書くと複雑に感じるかもしれませんが、信用や信頼は、預けたり預かったりするのです。
だから、信用や信頼は雑に扱ってはならないのです。さらに3人の大切な時間がここで消費されます。
以前、付き合いの浅い知り合いから、
「松村さんに会いたがっている人がいるので紹介させてほしい。その人は、BeBlockのWebサービスを利用したことがある人です」
このように言われて、なんとなく嫌な予感がしたのですが、紹介を受けることにしました。紹介させて欲しいと言ってきた人は、私に会いたいという理由は正確に把握していませんでした。私を知っているから繋いであげるよって軽いノリで、対応したのだと思います。
そして会ってみると確かにBeBlockのWebサービスを利用されたことのある方でした。それはありがたいことではあります。こうしたケースでは、どうしてそのサービスを利用しようと思ったのか、利用してみてどうだったのか、そんな話は私にとってはプラスです。
しかし、その人の私との面談目的は、営業行為でした。自身の商品の売り込みだったのです。ここで嫌な予感が的中します。私自身の信用を雑に扱われたように感じました。そして、その知り合いへの信用残高は大きく減ってしまいました。
このケースで信用と信頼が、預け預かるものだとわかると思います。雑に扱った瞬間に、信用残高を失っていまえば、二度と信頼されることはありません。
まとめ
まとめると、信用は過去を評価することであり、信頼は未来を託すことです。そして、そのどちらも一朝一夕では築けません。だからこそ、一つひとつの仕事や人との関わりを丁寧に積み重ねていきたいと思います。