今回は、知識やノウハウを隠すのはやめて、どんどんギブしていきましょうという話です。
肝心なのは、ギブ&テイクではなくて、ギブ&ギブのスタイルです。
これまで、数多くの講演を行ってきたのですが、終了後のアンケートでここまで生の話を聞けてよかったとか、そこまでノウハウを出して大丈夫でしたか?って主催者から聞かれてることもあります。でもいいんです。ギブ&ギブですから。今回は、そこを深掘りしていきます。
それでは、今回もレッツゴー。
知識隠蔽とは何か?

知識隠蔽って言葉を知っていますか。読んで字の如くではありますが、AIによると、以下のように回答されました。
知識隠蔽(Knowledge Hiding)とは、他者から求められた情報やスキルを意図的に隠したり、提供しなかったりする行動です。主に「とぼける(無知を装う)」「ごまかし(嘘や先延ばし)」「もっともらしい理由づけ」の3形態があり、組織の生産性低下や人材流出を招く要因として問題視されています。
イメージしやすいのは、保険や求人広告など成果に対してコミッションが個人に入る、セールスパーソンです。自分だけのセールスノウハウがあるのに、チームのメンバーに共有せずに、「これは自分だけのものだ」と握りしめて、表に出さないヤツです。
BeBlockは個人へのコミッションはありませんし、チームで働くことを大事にしているので、意図的な知識隠蔽はおそらく無いと思っています。あるとすれば、無自覚な知識隠蔽はあるのかもしれません。聞いてくれれば良かったのにー、と言って後になって発覚するケースです。
どちらにせよ、知識隠蔽はチームにとってはマイナスの作用が働きます。
それは、なぜか?
自分が隠せば、相手も隠すからです。知識を抱え込む人がいる職場ほど、信頼が崩れ、隠蔽の輪が拡大していくわけです。
AI経由で大型案件が決まる時代に

友人でもあり顧客でもある、地元愛知で葬儀業を営む経営者の話で、最近、大きな葬儀がAIルートで決まったと聞きました。喪主は東京に住む人で、親の葬儀でAIに相談したら、推薦してくれて問い合わせをしたといいます。
もう、検索から相談の時代になりました。キーワードの検索対策に意味がないとはいいませんが、ルールが大きく変わったのは間違いありません。
ここで、知識隠蔽と接続します。
この葬儀社は、丁寧にコツコツと情報発信を続けていました。喪主の立場になった記事や、お客様の事例、SNSでの発信。言い換えれば、自社の知っていることを惜しみなく、わかりやすい形で世の中に伝えていたのです。
手元にある知識は、人であっても組織であっても発信していけば、人からもAIからも選ばれていくのだと思います。
無自覚な知識隠蔽に対処する
社外に対しては惜しみなく情報発信をし、社内では惜しみなく知識を共有する。そんな組織でありたいと思っています。知識は抱え込むものではなく、循環させることで価値が大きくなります。
意図的な知識隠蔽は、BeBlockにはないと信じていますが、前述した、「無自覚な知識隠蔽」は常に起こりうると思っています。では、どのような無自覚な知識隠蔽を表に出して共有するとよいのでしょうか?二つの切り口で考えてみます。
一つは、ヒヤリハットの共有です。ヒヤリハットは「クレームや不良発生には至らなかったけれど、ヒヤリとした経験」です。このような経験は、本人の頭の中だけに留めてしまうと、他の人は同じ失敗を繰り返す可能性があります。共有することで、個人の経験が組織全体の知識へと変わります。
例えば、入稿データを修正前のデータで入稿しかけて途中で気づいた時や、誤出荷に直前のチェックで気づいたり、例を挙げればキリがありません。
二つ目は、ヒヤリハットに対して、あくまで私の造語ですが、「ラッキーハット」と呼びたい成功体験です。例えば、予想外にうまくいったこと、再現性はないけど気になったこと、偶然の組み合わせで解決できたこと、などです。こうしたラッキーハットは、後から複数の事例を見比べることで、「実は共通する条件があった」と分かることがあります。個々では偶然に見えた出来事が、組織全体では再現可能な知識へと変わる可能性があるのです。これは、イノベーションや業務改善のきっかけになるかもしれません。
ギブ&テイクではなくてギブ&ギブでいこう

講演を行うと質疑応答では手を挙げずに、終了後にノウハウのど真ん中をストレートに聞いてくる人がいます。こういう人は、私はテイカーさんと位置づけているのですが、とにかくハウツーを知りたい人です。以前は、こうした人は、曖昧に答えていましたが、今は、時間があればその場でなるべく、持っている知識を伝えます。そして、このテイカーさんからの見返りは求めていません。仮に自分からの知識で、その人が実践してうまくいったら、その人のお役に立てたと思って嬉しく思います。しかし、多くの場合、テイカーさんはうまくいかないことも自分の経験でわかってきました。
理由は、テイクしてもらってインプットはするけど、アウトプットが弱いし、そもそもそんなにビジネスは簡単ではありません。試行錯誤し続けて、少しずつ成果が出ていくものです。だから、自分の知識を求めていて、その時、自分の時間が許せば、とことん伝えていく。結果的に、これが好循環を生むことがこれまた経験でわかってきました。
これこそ、不思議な成功体験なのですが、ここを分解すると長くなりすぎるので今回はここまでとします。
知識は、お金やモノとは違います。人に渡しても、自分からなくなるものではありません。むしろ共有することで、新しい知識やアイデアが返ってきて、さらに価値が大きくなります。
これからも、意図的にギブ&ギブを実践しながら仕事をしていきましょう。